Death carried
その頃、ネパール上空。

「ごめんね…マット」

舷窓から眼下を眺めながら、PMSCs(民間軍事会社)『デュラハン社』所属の女性スナイパー、コートニーが呟いた。

彼女が乗っているのは、今回不時着したものと同じC-17輸送機。

デュラハン社が用立てたものだ。

その貨物室には、AH-64アパッチ攻撃ヘリコプター2機とOH-58カイオワ観測・軽戦闘ヘリコプター3機が積み込まれている。

言うまでもなく、不時着した機体に残されていたものだ。

デュラハン社は、この積み荷を『取得物』として、Disposableの協力を得て回収に来たのだ。

自分達の装備として運用する為に。

「本当はマット達から、こんなハイエナじみた事したくないの…」

「何がハイエナなもんか」

コートニーの隣でキューバ産の高級葉巻、コイーバをくゆらせる隻眼の男は、デュラハン社のボス、ゴースト。

「俺達は『拾ったもの』を『リサイクル』して使うだけだ。地球に優しい、いわばエコな行為だ。誰に咎められる事もありゃあしない」

「…火事場泥棒とも言うがな」

今回の任務に協力したバニングが、呆れたように笑った。


< 62 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop