勘違いも捨てたもんじゃない

高鞍さん。っと。ちゃんと登録したぞ。…ん〜。フフ。……らしくない…完全にキャラの崩壊だ…。ん゛ん゛。

「…武蔵、気持ち悪いぞ。何事だ」

まずい、ニヤついてたか…。しかし、こうも上手くことが運ぶとな…ニヤけもするだろ。

「何でもありません。あ、それより、若こそなんですか、たった一駅分の距離を、迎えに来いだなんて。朝なんですから、車で移動する方が時間がかかったじゃないですか」

「何言ってる。武蔵がウロウロ、下手な尾行なんかしてるから、連絡しても出遅れたんじゃないのか?」

…ウロウロだと?…確かに尾行はばれてたようだけど。

「若こそ。人が…混雑の中、両手が使えないのをいい事に、何度も何度も携帯鳴らして…。
どんだけ嫌な目に遭わせた事か…知らないくせに…」

「何゙?後の方、なんて言った?聞こえなかったぞ。マナーモードにしてたんだろ?電車内では常識だ。だったら何度ブルブルさせても問題無いだろ」

フ、その着信、問題は大有りだっつうの…。浩雅のお陰で、女の人の胸にブルブルと…俺の携帯は変態携帯になったんだからな…。痴漢したんだよ携帯で。……まあそれが?、結果?連絡先の交換迄できちゃいましたけど?…ん〜。

「…お前は…いつからイラッとすると喜ぶようになったんだ…。不気味だ、止めろ、気持ち悪い」

何とでも言ってくれ。俺の携帯には高鞍さんからのメールも保存されてるんだ。ハハ。あー、俺もなんか返事しなくちゃな…。あの後からずっと若と一緒だし、一応仕事中だしな。いきなり誘うのもなぁ。…ハイエナみたいだし。取り敢えず、休みは何してるのかとか、聞いてみるかな…。だけどもし都合がついても、俺には若が居るからな…。休みが休みにならないから。そこが難点なんだよな…。

「なんだ…」

「何でもない」

…若にも休日を独占したくなるようなちゃんとした彼女ができればいいんだよ。そうだ。結局、見失った後どうなったんだ?俺には、そこんとこ、話さないからな…。まあ、とことん機嫌が悪そうでもなさそうだから、まあまあだったのかも知れないな。

「若、明日、今日でもいいですから、必ず、髪、黒くしてくださいよ」

「…解ってるよ」

「今、しつこいと思っただろ」

「あ?…思ってない」

浩雅も上の空気味か…。
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