ふたりで

『一緒にいたい』というこーちゃんの言葉が、ずっと頭のなかでリフレーンしている。
私はどうなのだろうか?

大学で見かけたこーちゃんに、懐かしさを感じたことは否定出来ない。このまま知らんぷりしていい存在ではない。じゃあ、友達として始めてみてもいい。幼なじみみたいに。

私は、まだまだ固まらない自分の気持ちをもてあましつつ、あまり待たせるのもどうかと思い、今の気持ちを彼に伝えることにした。



次の日のランチの時、私は、幸に今までのことを全て話した。幸は、
「へぇ、そんな偶然があるんだね。それで、付き合うことにしたの?」
と、聞いてくる。

「んー、まだはっきり決めてないけど、幼なじみ的な付き合いならと思ってる。こーちゃんにもそう返事するつもり。」

すると、ニヤニヤしながら幸は、
「今のところ誰とも付き合ってないんだから、付き合ってみれば。」
と、実に楽しそうに言ってきた。
「真愛たちが付き合えば、私たちとダブルデートもできるしね。私にも、こーちゃんを早く
紹介してよ。」

「うん、わかった。」


親友の幸に話したら、気持ちが固まり、落ち着いてきた。本来の自分に戻れた気がした。私って、やっぱり動揺していたのかな?
思い返すと、本当にこの何日間は、ずっとこーちゃんのことばかり考えて、回りのことが全く見えてなかったなあと思った。
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