ふたりで

4時半、正門前で待ち合わせてから、近くのファミレスにふたりで行くことにした。

「真愛は、カフェオレ?ならドリンクバーにする?」
とこーちゃんが聞いてきた。
「うん、そうする。」
と答えると、こーちゃんは、ドリンクバーをふたり分とピザを1枚たのんだ。
「お腹すいたから、ふたりで食べよう。」
どうやら、まだ育ち盛りのようだ。

「どう? 気持ちが決まった?」
と、こーちゃんは初めから核心をついてくる。

「んー、まだはっきりしないけど、友達としてと言うよりは、幼なじみ的な位置から始めていかない。」
と、正直な気持ちを伝えた。

「まあいいか。徐々に俺のことを理解してもらって、だんだん彼氏に近づくよ。じゃあ、幼なじみの真愛さん、これからよろしくね。」
と自分で納得して、握手を求めてきた。

私は、
「こちらこそよろしくお願いします。」
と、握手をした。
小さい頃、たぶん、たくさん手をつないだだろうけど、今、大きな手に包まれた自分の小さな手を不思議に感じた。


このあと、携帯番号とアドレスを交換して、簡単に今までの自分達について、話をした。

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