ふたりで

幼なじみのポジション


母と夕食の片付けをしながら、
「お母さん、この間さ、芝宮君について話したでしょ。あれね、やっぱりこーちゃんだった。おばさんね、離婚したんだって。こーちゃんと大学で会って聞いたんだ。」
と私が話すと、
「えっ、律子が離婚?」

「本当だよ。だからこーちゃんの名前も変わって、今は、芝宮なんだって。」

母は、思ってもみなかった話題に、ついて行けない感じで、目を白黒させて驚いていた。

私はこーちゃんとの再会について、簡単に説明したが、付き合う件については話さずにおいた。

話を聞きながら母は、
「律子の旦那様って、たしか8歳位年上で、すごく真面目な人だったのに、どうして離婚なんてことになったのかしらね。」
と不思議がっていた。

我が家は、夫婦仲がすこぶるよい。絶対、離婚なんてことにはならないだろう。だって今でもたまに一緒にお風呂に入っている。
娘としては、喜んでいいのだろうが、こちらの方が恥ずかしくなる。

「ところで、こーちゃんを今度家に連れてきなさいよ。どんなにカッコよくなったかしら?
小さい頃から、背が高くて、かわいい顔してたよね。両親ともに美男美女だったもの。」
と、興奮して話してくる母に、あきれてしまった。母は、すごく面食いなのだ。

まあ、こーちゃんは、見た目は、いいと思う。
見た目はね。きっと今までも、もてたと思うよ。でも、性格は?
小さい頃は、どうだったかな。いじめられた記憶は全くない。むしろ大事にされ、仲よく遊ん
だ楽しい思い出ばかりだ。
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