ふたりで

それから、1日おき位にメールで話したり、土日のどちらかは、会ってお茶しながら話をした。昔の思い出や、受けている授業や教授などについて。

とうとう、こーちゃんを家に連れてくることになった。もちろん、母の絶っての願いだからである。父親も会いたいと言うから、土曜日の夕食に誘った。

「おじさん、おばさんに会うの楽しみだなあ!何かおみやげを買いたいんだけど、何が好きかな?」
と、すごく乗り気のこーちゃんに、私の方がびっくりである。まあ、彼女の両親に会うのとは、ちょっと違うからだろう。



当日、彼は、両親の大好きな豆大福を手土産にやってきた。私の家を覚えていた彼に、またまた感心してしまった。
同じ年だとは思えない位、彼は大人になっていた。両親に対する態度は、文句の付け所がないほどで、この日以降、両親から私は見習うようにと、何回も言われるはめになる。

帰りがけに、父親が、
「幸大君、この次は、もっとゆっくり話そう。だから泊まるつもりでおいで。」
彼は、
「わかりました。喜んで。」
と即答していた。やれやれ、今夜は
初めから終わりまで、こーちゃんのペースだったなあと、またしても人を自分の方に引き込む才能に、脱帽だった。
父親も、息子のように思えたのだろう。男同士でってことかな。
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