ふたりで
俺の思い4
夏休みに入り、俺は配達のバイトに楽しく過ごしていた。
と言うのも、真愛のお母さんが、俺の体を心配して、3日ごとくらいに、夕飯を食べにくるように誘ってくれるからだ。
真愛にも会えるし、両親とも仲よくなれるし、一石二鳥だ。
昨夜、夜遅く、啓太がやってきた。
「瀬川が、今日から一週間、さやかの部屋に遊びにきている。」
「へえ。」
俺には関係ない。そう思った。
「さやかが、明日の夜、4人で一緒に食事しないかと言ってるんだけど。一度だけ、付き合ってくれないか。」
「俺が?」
「さやかには、幸大が嫌がるとは言ったけど、もう一度、はっきりしておいた方が、いいと俺は思う。」
「わかった。もうこっちで彼女ができたことも話して、望みがないとわかってもらうよ。」
「瀬川だけでなく、さやかの方も、お前達のことを諦められないからなあ。かえって瀬川が可哀想だよ。気の毒になあ。
悪いな。一回だけだから。」
「啓太が誤ることじゃないよ。いい機会かもな。」
俺は、高校時代に断ったはずの瀬川のことを、キッパリさせることにした。どうして、彼女達の中では、なかなか終わらないのだろう。
俺に、曖昧な態度があったのか?
未だに、不思議である。