ふたりで
泣き出した瀬川をどうすることもできず、店を出て、とりあえず、津山の部屋へ行った。
ようやく、彼女達が納得したのは、午前1時を回った頃だった。
まずい!
真愛に連絡しそびれた。もう寝てるだろうな。
メールだけでも、しておかなきゃ。
《遅くなってごめん。明日連絡する。》
俺には、真愛が一晩中、心配していたことなど、思いもよらなかった。
アパートへ帰りながら、
「さやかが、いろいろ言って、すまない。悪いやつじゃないんだが、自分だけで突っ走るから、回りは振り回されることが多いんだよな。俺も、何度も言ってるけど、性格って直らないのな。」
啓太が、諦めたように話してくる。
「俺もさ、さやかに告白されて付き合って、大学まで同じになったけど、最近、俺達合わないかもって、思い始めた。俺の気持ちがどんどん離れていくのが、わかるんだ。もう、限界かも。」
啓太は、苦しそうにつぶやいた。
「そうか。理解できない部分があると、一緒にいて、辛いだけだよな。自分を追い込むなよ、啓太。お前が悪いわけじゃない。まだ、自分にふさわしい相手に会ってないんだよ。啓太にとって、津山は違うってことだろ。」
と言いながら、俺は、真愛といる自分を思い浮かべた。
啓太にも、唯一の人と出会ってほしいと、願わずにはいられなかった。