ふたりで
前期試験を終えて*****
ふたりの休暇&大きな嵐
心配したけど、あれから津山さんは、何も言ってこない。
前期の試験も、難なく終わり、単位も確保できてホッとした。まだ一般教養教科だから、いいけど、専門科目になると、もっと頑張らないとならない。
今日は、珍しく、こーちゃんと啓太君とも会い、幸と4人で、お昼を食べた。
みんな疲れてはいるが、晴れやかな顔をしている。試験が終わった開放感がそうさせているのだ。
「真愛たちは、何処に行くことにしたの?」
幸が聞いてくる。
「まだ候補を挙げているだけで、決まってないよね。」
と、私がこーちゃんに同意を求めると、
「これから絞りこんで決めていこうな。真愛の塾のバイトがあるから、毎日は、無理だから、2、3ヵ所だな。」
と、こーちゃんが今の状況を説明した。
「それ、全部じゃなくていいから、俺も、行きたいな。」
と、以外なところから、オファーがきた。
「啓太君は、彼女と出かけるんでしょ?」
私が、怪訝そうに聞くと、
「あっ、俺、別れたから。」
「「えーっ!」」
と、幸とふたりで、目が点になってしまった。
こーちゃんは、知っていたようで、動じない。
「だから、寂しい俺の相手も頼むよ。」
と、手を合わせて拝むようにしてくる。
「真愛、どうする?」
こーちゃんがいかにも嫌そうに聞いてくる。
「私はいいよ。でも、一回位は、こーちゃんとふたりがいいな。」
すかさず、啓太君が、
「真愛ちゃん優しい!」
と、私に嬉しそうな笑顔を向けてくる。
だけど、こーちゃんからダメ出しが出る。
「啓太を連れて行く方が、一回だけだ!」