ふたりで

私はそれを聞いて、唖然としてしまった。
そして、我に帰ると、顔が赤くなっているのがわかった。きっと、真っ赤だろう。

こーちゃんも、少し赤くなってるみたい。

今まで、余り意識していなかった。キスもまだ、片手で余るほどしかしてない。

キス以上のことは、まだ覚悟さえできてない。早い人は、高校生で経験してるのに、私は幼稚なのかな?

言葉をなくしていると、
「大丈夫だよ。真愛の嫌がることは、死んでもやらない。安心して。」
と、こーちゃんから、言ってきた。

「うん。ありがとう。」


そして、囁く位の声で、
「覚悟ができたら、私から言うね。」

すると、こーちゃんは、
「わかった。待つよ。でも無理はするな。」

本当に大事にされてると感じた。心から、嬉しかった。


だから、この日は、壁掛けを飾って、その前で、キスをした。

「真愛、ちょっと口を開けて。」

と、こーちゃんが言うから、ほんの少し唇を開くと、こーちゃんの舌が私の舌を、ちょんと突っついた。そして、今までよりキスが深いものになった。

「真愛、嫌だった?」

「ううん。嫌じゃなかった。」

「真愛、少しずつ、俺たちのペースで行こうな。」

優しいこーちゃんの声音に、ますます幸せを噛みしめていく私だった。
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