ふたりで

次の日、10時に噴水公園で待ち合わせをした。
回りに誰もいない方が、話しやすいと思った。

顔を合わせると、やはり、ちょっと気まずい。

こーちゃんが、
「この間は、本当にごめん。何回でもあやまるよ。真愛が許してくれるまで。」

「こーちゃん。こーちゃんが悪い訳じゃないから、謝らないで。」

「いや、俺が全面的に悪い。真愛と出会えるとわかっていたら、あんな馬鹿なことはしなかった。今は、凄く後悔している。」

「こーちゃん、一つだけ聞いていい?」

「一つと言わず、何でも聞いて。」

「あの先輩は、元カノなの?」

「違う。サッカー部の一年上の先輩でマネージャーだった。付き合ってはない。言いにくいんだけど、彼氏に振られた先輩に、慰めてほしいって言われて、一回だけ。本当にごめん。許してもらえるなら、なんだってするから。」

「わかった。 こーちゃん、何でもだね。
じゃあ、仲直りに、鍾乳洞連れてって。明日。もちろん、啓太君もね。」

「真愛!大好きだよ。世界中で、真愛が一番好きだ。真愛だけが、大事だよ。」
こーちゃんは、私を思い切り抱き締めてきた。

「私も、こーちゃんが好き。だから、こーちゃんを信じる。私だけって言う、こーちゃんを信じるよ。」

私は、こーちゃんの腕のなかで、安心できた瞬間だった。お互いの気持ちも確め合えた。
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