ふたりで
ふたりで選んだペアリングは、18金のシンプルなリングだ。よーく見ると、表面に細かい彫りが刻まれてある。
私は、右手を頭上に掲げて、リングをながめた。
「きれい!」
と知らないうちに、声が出ていた。
「嬉しいか?」
こーちゃんが嬉しさ満面の私の顔を覗きこんでくる。
「うん。」
「これは、真愛が俺の物、そして俺は真愛の物、と言う証だ! 将来、こっちの薬指にも、ペアリングはめような。」
私は、思わず、こーちゃんを見つめ、固まってしまった。
「真愛、何とか言えよ。」
「えっと、こちらこそよろしくお願いいたします、的な?」
「なんで疑問文なんだよ。」
「じゃあ、こっちのペアリングも待ってます。」
と、素直に言うと、
「おー、まかせとけ!」
とこーちゃんは、胸をたたいた。