ふたりで

とにかく、津山をなんとかしないと、俺のことが真愛にわかってしまう。
その上、これから真愛のことに、口を出される可能性は、大きい。最悪な相手に見つかったものだ。もう少し真愛とのことが、進展してからだと良かったのに。


と思っても、後の祭りである。俺は、頭をフル回転させて、どう言い逃れをしたらいいか考えた。



すると、いままで蚊帳の外だった真愛が、
「じゃあ、私、もう時間だから」
と、立ち上がると、
「またね。」
と言い、さっさと出て行ってしまった。



残された俺に、津山は、
「ねぇ、彼女とどういう関係なの?」
と聞いてきた。


啓太には、真愛のことを初恋の君で、そのうち彼女にしたいと、話してはいた。さすが啓太だ。津山には、黙っていてくれるようだ。それでこそ、親友だろ。俺は、啓太に対する信頼度を深くしたのだった。



「そのうち話すよ。」
と、俺は津山に言った。下手に隠そうとすると
知りたがるのが、人情である。ここは先を期待させておくに限るのである。特に津山が相手なら。
 
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