ふたりで
あの子の正体が、明らかになった。けど、なんとなく、すっきりしない。
私は、こーちゃんのことが解らなくなっていた。
「俺は、彼女を妹としてしか見てない。真愛とは、全然違う。これからも。ただ、どう扱えばいいのか、戸惑ってはいるけど。」
「真愛が言葉を無くしているから、私の見解をきいて。あの子、こーちゃんに引かれてる。絶対そう。もちろん兄としてじゃなくね。こーちゃんは、このままじゃ、あの子の思い通りになっていくよ。どこかで、ケジメつけなきゃ。」
幸の言うことは、当たっていると思う。
「これは、こーちゃんとあの子の問題だから、私たちが口を出すことではないかもしれないけど、私は、真愛を守りたい。
こーちゃんがあの子のことをはっきりさせるまで、真愛とは会わないで。これ以上、真愛を傷つけないで。1日も早く、解決して、真愛のためにね。」
幸は、こーちゃんにそう宣言すると、
「真愛、言いたいことあるなら、はっきり言って。」
と私の手を握ってきた。
「私は、こーちゃんを信じたい。でも、今回のことはすごく不安だったのも本当なの。もう、こんなことはイヤなの。私を安心させてほしい。もう不安にさせないで。」