ふたりで
『隠し事はするものではない』と言うことを
俺は、身をもって知った。
その日の午後、幸さんと真愛が、部屋にきた。
今日も、見られていたようで、
『きっと俺は、どんなことでも真愛にはばれるようになっているのだろう。一生、そうなんだろうな。』
と言うことを悟った。
しかし、結香の事を話せば、わかってくれると思っていた俺が、甘かった。
俺にとっては、妹的な気持ちしかない。しかし、事はそんなに簡単ではなく、真愛の心を深く傷つけていたのだ。
何も言えない真愛のかわりに、幸さんは、俺を責めた。
さすが、弁護士を目指すだけあって、観察眼が鋭く、ちょっと目にしただけの結香を見て、結香の気持ちまで推測してしまうなんて、想像すらしなかった。
到底、俺では、太刀打ちできない。真愛には、最強の相棒がいたんだ。幸さんが女性でよかったと、心から思った瞬間だった。
さて、結香のことに、決着をつけなければ、真愛には許してもらえない。
仕方がないから、母さんに連絡する前に、俺の方の相棒に相談することにした。
啓太は、
「俺は、結香ちゃんと会ったことないから、どんな子かわからないが、幸大が、彼女がいることを話せば、もう、コンタクトを取ってこないんじゃないか。まだ中3だろ。これが高校生なら、彼女がいても、奪ってやれと思うかもしれないがな。」
「それだけ?でも、母さんとの関係は、大丈夫か?」
「友達みたいに仲がよさそうだから、一応、話しておいて、ホローしてもらえばいいんじゃないか。真愛ちゃんさえよければ、ふたりを紹介するって手もあるが、今の状態だと真愛ちゃんが会いたくないかもな。一番初めに、真愛ちゃんにも会わせておいた方がよかったんだけどな。まさか、こんな風にこじれてくるとは、思わないものな。」