ふたりで
4月から通う高校が、俺の卒業した高校なので、始めは高校の話で夢中になった。
俺は、いつまでもたわいのない話では仕方がないので、本題を切り出すことにした。
「結香ちゃん、今日は、俺のことをわかってもらうために、ここにきた。」
ケーキセットのチーズスフレを食べていた結香が、顔を上げて、俺を見てくる。
「俺には、彼女がいるんだ。俺は、彼女のことをとても大事に思っている。だから、母さんたちが結婚したら、君のことは、もちろん妹として接していくつもりだ。でも、まだ正式じゃないだろ。だからこうやって会うのは、もうやめよう。」
「幸大にいさんに彼女がいるのは、律子さんから、聞いてます。妹のポジションが嬉しくて、先走りしてしまいました。ごめんなさい。」
「いや、俺のほうこそ。もし、母さんたちが結婚したら、結香ちゃんにも真愛、彼女を紹介するよ。」
「はい、楽しみにしています。真愛さんとおっしゃるんですね。もっと先走ると、真愛さんは、私のお姉さんになるかもしれないですね。」
「はは、可能性はあるかな。」
しかし、真愛が結香ちゃんのお姉さんになることは、なくなった。