ふたりで

トロントに来て、朝は、こーちゃんの腕の中で目覚める。

日本では、こーちゃんがたまに我が家の客室に泊まるが、私がこーちゃんの部屋に泊まったことがない。

だから、こーちゃんの部屋で愛し合っても、必ず帰らなければならない。

『トロントにいる間は、毎晩愛し合うぞ!覚悟しておけ。』

とは、日本からトロントに来る飛行機の中で、こーちゃんが私の耳元でささやいた言葉。

だから、時間を気にせずゆっくり愛し合えている。

結婚したら、毎朝、この気分を味わうのかな?



「オギャア、オギャア、」

突然、美都ちゃんの泣き声。

ミルクかな、オムツかな。

私も起きて、朝食の準備を手伝おう。

桜さんと美都ちゃんを見て、すごく勉強になる。

私も、女の子がほしいなあ。




さあ、今日は、昨日に引き続きトロント観光。

どこに行くのかは、日本でふたりで計画してきたけど、私は、いまいち理解できていない。

こーちゃん任せなのだ。

「こーちゃん、今日どこ行くの?」

「今日は、船でオンタリオ湖にあるトロントアイランドに行って、つぎは、ハーバーフロントを歩いて、自然をたくさん満喫しよう。」

「時間があったら、少し買い物もしたいな。」


「OK!イートンショッピングセンターによろうか。」


こーちゃんの計画に、抜かりはない。黙って付いて行こうと、私は、心の中で力強く誓った。

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