手のひらを太陽に
ーーー3年前。
海美13歳。 賢大10歳。
この時は、まだ兄弟仲良かった。
昨年まで二人とも小学生で、休み時間いつも一緒にいた。
賢大が可愛くて、大好きだった。
私が中学校に上がり、賢大は小学校に1人で通っていたある日。
『なぁ!シスコン!
お前は、ねぇちゃんがいねぇと何も出来ないんだな!』
『お前、女々しいんだよ!クヨクヨして、女かよ!』
『これ、いつも持ってるよな。大事なのか?』
そう言って、賢大から取り上げた物は
私が賢大の10歳の誕生日にプレゼントした、私と賢大のツーショットを、キーホルダーにしたものだった。
賢大は、それはそれは喜んでとても大切にしてくれていた。
普段大人しい 賢大。
しかし、その時ばかりは 必死になり声を荒げ、取り返そうとした。
『返して!返せ!!!!!僕の宝物なんだ!!!返してくれよ!!!』
『キモイんだよ!シスコン!』
シースコン!シースコン!シースコン!シースコン!……
どこからともなく始まり、あっという間に周りにいたクラスメイトみんなが
手を叩き、声を上げ
シスコンコールが巻き起こった。
『シスコンでもいい!!それを返せ!』
『あ!認めた〜! バーカ!!返すわけねぇだろ!』
ーガチャン。
床に落されたキーホルダー。
中では、2人が笑っていた。
キラキラした笑顔でこちらに笑顔を向けていた。
それをまじまじと見たあとに……
ーーーガチャン!!!ミシミシ…
ガチャン!!ミシミシミシミシ……
高らかな笑い声と共に、無情にも
キーホルダーはプラスティックの破片へと変わった。
中身の写真はまだ無事!!
賢大は駆け寄ろうとした。
それを阻止しようと、2人の男の子に両腕をつかまれた。
『よーく、見てろよ。』
ビリビリ……ビリビリビリ!!!
『なっ……!!!やめろーー!!!!』
写真は、粉々になり 修正不可能な程、細かくなった。
自然と涙がこぼれた。
こうなったのも、全部…全部……お姉ちゃんのせいだ!
シスコンになったのも、こうやっていじめられるのもお姉ちゃんのせいだ!
賢大の思考は180度変わり、姉の私を見る目はまるで
犯罪者を蔑むような目だった。
それからというもの、地元で有名な暴走族に入り
今となっては、家に帰ってくることすら珍しくなった。
家に帰ってくる時には、
お母さんの髪の毛を引っ張り
『おい!クソババア、、とっとと金出せや!ゴラァ!!』
顔を近づけ、大声で怒鳴る。
見兼ねて、私が割って入れば必ずビンタされる。
母は、4度目位の頃から
バイクの音が聞こえると玄関に3万円置いておくようになった。
それは親心なのか。
単純に賢大に対する恐怖心がそうさせるのか……
彼女のみが知る心情。
あえて私は、そこには触れなかった。
海美13歳。 賢大10歳。
この時は、まだ兄弟仲良かった。
昨年まで二人とも小学生で、休み時間いつも一緒にいた。
賢大が可愛くて、大好きだった。
私が中学校に上がり、賢大は小学校に1人で通っていたある日。
『なぁ!シスコン!
お前は、ねぇちゃんがいねぇと何も出来ないんだな!』
『お前、女々しいんだよ!クヨクヨして、女かよ!』
『これ、いつも持ってるよな。大事なのか?』
そう言って、賢大から取り上げた物は
私が賢大の10歳の誕生日にプレゼントした、私と賢大のツーショットを、キーホルダーにしたものだった。
賢大は、それはそれは喜んでとても大切にしてくれていた。
普段大人しい 賢大。
しかし、その時ばかりは 必死になり声を荒げ、取り返そうとした。
『返して!返せ!!!!!僕の宝物なんだ!!!返してくれよ!!!』
『キモイんだよ!シスコン!』
シースコン!シースコン!シースコン!シースコン!……
どこからともなく始まり、あっという間に周りにいたクラスメイトみんなが
手を叩き、声を上げ
シスコンコールが巻き起こった。
『シスコンでもいい!!それを返せ!』
『あ!認めた〜! バーカ!!返すわけねぇだろ!』
ーガチャン。
床に落されたキーホルダー。
中では、2人が笑っていた。
キラキラした笑顔でこちらに笑顔を向けていた。
それをまじまじと見たあとに……
ーーーガチャン!!!ミシミシ…
ガチャン!!ミシミシミシミシ……
高らかな笑い声と共に、無情にも
キーホルダーはプラスティックの破片へと変わった。
中身の写真はまだ無事!!
賢大は駆け寄ろうとした。
それを阻止しようと、2人の男の子に両腕をつかまれた。
『よーく、見てろよ。』
ビリビリ……ビリビリビリ!!!
『なっ……!!!やめろーー!!!!』
写真は、粉々になり 修正不可能な程、細かくなった。
自然と涙がこぼれた。
こうなったのも、全部…全部……お姉ちゃんのせいだ!
シスコンになったのも、こうやっていじめられるのもお姉ちゃんのせいだ!
賢大の思考は180度変わり、姉の私を見る目はまるで
犯罪者を蔑むような目だった。
それからというもの、地元で有名な暴走族に入り
今となっては、家に帰ってくることすら珍しくなった。
家に帰ってくる時には、
お母さんの髪の毛を引っ張り
『おい!クソババア、、とっとと金出せや!ゴラァ!!』
顔を近づけ、大声で怒鳴る。
見兼ねて、私が割って入れば必ずビンタされる。
母は、4度目位の頃から
バイクの音が聞こえると玄関に3万円置いておくようになった。
それは親心なのか。
単純に賢大に対する恐怖心がそうさせるのか……
彼女のみが知る心情。
あえて私は、そこには触れなかった。