手のひらを太陽に
『そういえば、さあ、……って、うわ!!!!
なにまじまじ見てんだよ!』


『ごっ、ごめんなさい!!!』


『びっくりするからやめろよ。ったく。』


『すいません……、何を言おうとしたんですか??』


『あっ、あぁ…晴翔来てねぇんだけど、賑やかな妹も来てねぇみてぇだな。』

メロンパンを齧りながら、ふとそんなことを呟いた。


『最近、晴翔の様子がおかしいきがするんだよ。
昔は、あんなに妹にベタベタしてなかった。
何かありそうで、気持ち悪ぃんだよなぁ、、。』


『そうなんですか?
兄弟仲良くて、私は羨ましいですけど……
お兄ちゃんとか、居たら楽しいでしょうね。
弟は、暴走族だし。』


『兄弟かぁ、俺は二つ上の姉貴がある。
スクーター乗り回してる、いかつい姉貴。
まぁ、暴走族ではないが。』

太陽さん、お姉さんいるんだ……
お姉さんは毎日太陽さんと一緒に生活してるんだね。
羨ましい。


『なんか、お前、話しやすいな。
年下基本、嫌いなんだけど
お前は…なんていうか……

わっかんねぇ!まぁ、いいって事だよ。』

後頭部を掻きながら、ぶっきらぼうに言い放った。



RRRRRR…RRRRRR……

太陽さんの携帯が鳴る。

『もしもし?あ、姉貴。なんだよ。

あっそ。んで?

あー、了解。


わかったって。わかったよ。

ったく。』

だるそうに、でもどことなく嬉しそうに
電話で会話をしていた。

『あ、わりぃ。』

『全然大丈夫です。』

『お前さ、今度の土曜 空いてたりすんの?』

『今度の土曜日…
午前中はバレエのレッスンがあって、
午後からなら空いてます!』

私は、全国大会に出場するほど
優れた才能を真結子先生に見出してもらった。

ネットで
「橋本 海美」 と検索すれば
まずはじめに、バレエを踊る私の写真やら
全国大会の詳細やら が、ヒットする。

私が、全国大会に行ったことにより
真結子バレエスクールは、
以前の3倍もの人数の生徒を抱えている。

教室の外には、
「祝!全国大会出場 橋本 海美」
という、大きな大断幕が掲げられている。
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