手のひらを太陽に
太陽さんは、私の今日の姿を見て、なんて言うのかな?


また”かわいい”って、言ってくれるのかな?


そんな期待を胸に、いだきながら
ドアの開いた場所で降りた。


すると、目の前には、「the豪邸」があった。

呆気に取られていると、自然にドアが開いた。
運転手に言われる通りに中へ入ると
たくさんのメイドや執事がレッドカーペットの両端に
ずーっと並んでいた。

『ようこそお越しくださいました。
海美さま!!!』

びっくり。としかいいようのない光景に
声すら出なかった。

螺旋階段から、白いスーツを来た誰かが降りてくる。

光の加減でちょうど顔が見えない。

かっこいい。すごくかっこいい。

その人の正体がわかる頃には
既に2人の間は1m程だった。


『太陽さん?!』

『海美、遅かったな。』

……。
呼び捨てーーーーーーーー?!!!!!

『お待たせしてしまいすいませんでした。』
いや、私レッスンあるって言いましたよねー?!!

『さぁ、もう始まってるぞ。
早く行こう。』

自分勝手っていうか。なんていうか。
手を引かれ、螺旋階段を駆け上り
大きな扉を開くとそこには
セレブの方々が、パーティードレスに身を包み
ワイングラスを片手に、話に花を咲かせていた。

会釈をするもの、食事を撮るもの、お酒を飲むもの。

様々だった。

いつの間にか、隣にいた太陽さんがいない事に気付き
キョロキョロしていると、

『貴方が、太陽の彼女さん?
あら、お嬢様なのね。
なかなか可愛いわね。
こんな子を射止めるなんて、太陽もなかなかやるわね。』

誰?このすごーーーく美人でお色家たっぷりの女性は……
どこかで見た顔。
目鼻立ちがくっきりしていて、唇はプルプル。

でも、正直それはどうでもいい。
問題なのは、話の中身。

私、彼女なんかじゃないんですけどー?!!!
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