手のひらを太陽に
『あの、彼女って……?』
この人が誰か。ではなく、私の立場の話の方が絶対大事!

『貴方のことよ?あれー?違うのかしら?』

首を傾げながら、小さな顔に手をあてる。

絵になるなぁ……。なんて思っていると

『姉貴!勝手に話しかけるなよ!
びびってんじゃねーかよ!』

姉貴……?

お姉さん……?

太陽さんの……?

『あら、ごめんなさいね。
太陽?その子が言ってた彼女よね?
この子ったら、彼女じゃないような
言い方するんですもの。
もうびっくりよ。』

だって、彼女じゃないもん……。
そりゃ、なれたら嬉しいよ?
でも、私には手が届かないよ。

『何言ってんだよ。姉貴。
こいつが例の俺の彼女。
"橋本海美"ってんだ。
うさぎみたいな名前だけど、大分可愛いだろ?』

彼女?彼女?彼女?えーーーー?!!!!
かぁーーーーのぉーーーーじょーーーー?!!

『えっ、あっ、?、』

動揺しているうちに、お姉さんは行ってしまった……

『わりーな。今日は彼女っていう設定で頼むよ。
よろしくな。彼女役。』

彼女役……。
役かぁ…………。

太陽さんに頼まれたらNOとは言えないよ……

『わかりました。』

『ありがとな。
あ、さっきのが、俺の姉貴。
風香(ふうか)ってんだ。』

ふうかさん……すごく美人だった。
背後にいた男性は、フランス人なのかな?
青い瞳で背が高くて、金髪だったなぁ……

『そういえば、お前バレエのレッスン後だろ?
なのに、なんでそんなにドレスコード決まってんだ?』

あ、やっぱりそう見えるんだ。
良かった〜。

『これは、レオタードっていって
バレエの練習着なんです。』

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