溺愛彼氏と無口なお姫さま
ギュッ






急に手にあたたかい温もりが……………






……………………………………ん?

ん?ん?んんん?





視界に入ってきたのは

繋がれた手で。





寺坂の細くて白い小さい手に

ギュッと強く握られていて。





な、なぜ?

い、いいいいや、嬉しいんだけどね

急すぎて、理解しきれないというか…






「寺坂?」



「……………」






俺が声をかけると自分の鞄を

ゴソゴソとあさり始める寺坂。

いまだ、片手は俺と繋がれたままで。





そして、何かを取り出すと

俺の目の前へスッとだしてくる。






「………さっき、買ったの……」






だされていたのは、ペットボトル。






「…………これ飲めばいいから買わなくていいよ…………ほら、もう始まるし…………」
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