溺愛彼氏と無口なお姫さま
え?てらさか………






「いいの?」



「…………………」






寺坂が何も言わずコクッと頷く。





じゃあ……緊張して喉乾いてるから…………






「いただいてもいい?」



「………………うん」



「ありがと。じゃあいただくね」






そして寺坂が持っている

ペットボトルを受け取ったところで

ハッと気づく。






えっと………………これはもしかして…………

……かんせつきす………では?…………





やばいやばいやばい。

これは飲んじゃダメだ。





寺坂を見ると間接キスについて考えてしまうた

め意識をそらそうとひとまず俯く。





しかし、俺に逃げ場はないみたいで…………





寺坂と繋がれている手に気づく。





その瞬間顔が熱くなってくる。





さっきは驚きが大きかったけど

意識すると………………やばい……………






「?………?」






俺の様子がおかしいことに

気づいたのか顔を覗き込んでくる。





周りが暗いから俺の顔が赤いことは

バレないはずだがドキドキしてくる。






「て、寺坂………手………」






なんとかつたえ、

寺坂が繋がれた手の方へ目を向ける。
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