ただ、貴方に逢いたい
「勿論!海音の機嫌の良し悪しは倫ちゃんが基本だもの。絶好調にニヤニヤしてたし、普段より服もね気をつけてたみたいだし。寄るところがあるからって大分前に出掛けていったしね。フフフッ♪」

凄く楽しそうな海音くんのお母さんの言葉に

「大分前に出掛けた…の?」

「倫ちゃんに会う前に寄りたいって」

何か用事でもあったのかな?
とにかく時間もギリギリだし私も行かないと!

「じゃあ私も行きますね!」

「ええ、楽しんでらっしゃい」

見送られながら少し小走りになる。約束の場所に間に合ったものの海音くんはまだ居なかった。
息を整えつつスマホを取り出すと着信音が。

「LINEだ。海音くんから!…えっと、混んでて少し遅れるけど待ってて…か」

いつもは私が待たせてるから不思議な気分。

「待ってるから慌てずに気をつけて来てね…と」
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