ただ、貴方に逢いたい
『倫へ
 欲しがってたうさぎのペンダントやるよ。
 メリークリスマス!

 本当に伝えたいことは直接言うから、待ってろ 
                  
                      海音』

カードを読んで耐えられなくなった。崩れ落ちるように座り込んでしまう。私の為に海音がいなくなってしまった。
あの日、待ち合わせにしなければ…ううん、うさぎのペンダントが欲しいなんて言わなければこんなことにはならなかったのかもしれない。
何度、後悔しようと海音くんは戻らない。

「ふっ…え……海音くん…!」

泣いて呼んだってもう伝わらない。私の名前も呼んではくれない。海音くんが私に伝えたいことは何だったのか…海音くんからは永遠に教えては貰えない。
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