ただ、貴方に逢いたい
下校の時間になるとあゆむくんとのりこちゃんが迎えに来てくれる。交差点まで一緒に帰りそこで別れる。2人は家まで送ると行ってくれるけど断って歩き出す。

海音くんと2人で帰った道。クリスマスの約束もこの道でした。叶えられなかった約束。これからも叶わない約束だけど、あの時、確かに幸せだった。

海音くんが隣から居なくなるなんて思いもしなかった。ずっと一緒に居られると信じていた少し前の私。
目を閉じればいつだって笑って私を呼ぶ姿が見える。見えないだけできっと私を見守ってくれているはず。体育の時は外しているけど、出来るだけ肌身離さず着けているうさぎのペンダント。傍にいてくれてる気がして放せない。

クリスマスの日に渡すはずだった手編みのマフラーは海音くんの棺に入れさせてもらった。
喜んでくれていればいいなぁ。
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