ただ、貴方に逢いたい
お互いに手を降り合って歩き出す。ここからは海音くんと帰れる道程で大好きな時間でもある。

いつもなら話をしながら帰るのに何も話さない。というか話せない。海音くんが私をチラリと何度も見てくるからだ。

「なぁに?」

私は、見られることに耐えられなくなって海音くんに話し掛けた。

「あっ、いや!……あのさ?」

口ごもる海音くんは珍しいからさっきとは反対に私が海音くんを見つめる。

「うん、何?」

何となく私も緊張してしまう。

「もうすぐ…クリスマスだろ?夜は例年通り俺と倫の家族で一緒にすると思うんだ」

「そうだね。プレゼント楽しみだよね」

毎年、私たちは一緒にクリスマスパーティーをする。プレゼントも貰えるし海音くんと居られるから楽しみな日だ。
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