プラネタリウム
夏休みも終り、秋が来る。

学校祭の準備に忙しい。

この学校祭がまさか切ないものになるなんて今は気付きもしなかった。

学校祭での役割が別になった私と北斗。

私はバザー、北斗は演劇。

私は演劇をのぞきに行くと、北斗が楽しそうに話してた。

その相手は、同じクラスの子。
最近はこの子といるのをよく見る。

不安になる…。

前も北斗探してたら「北斗ならみちると買い出し行った」

名前はみちる…。

噂になっちゃうほど一緒。

私はこわくて聞けずにいた。

だけど、我慢してたけど…無理になって…聞いてみた。

「北斗、みちるちゃんとよくいるの何で?」

「同じ演劇だからだけ…」

「私、不安だよ…」

気のせいか少し面倒くさそうに見えた。

私はもしかしたらフラれるのではと不安で仕方なかった。

不安だけど、もう聞かない。

今は悪循環になるだけ…。

だから、連絡もしないし帰りも一人で帰った。

バイトも手につかなかった。
ケータイでもなかったら辞めていたかもしれない。

だけど、誰にも頼らずにいた時期もあったはずなのに今は辛くてしかたない。

北斗を信じてる…いや信じたいから…私は距離を置いた。

北斗から連絡きた時だけで自分からは連絡しなかった。

私を強くしてくれて、一番近い存在だった北斗が遠く感じた。
またプラネタリウムを見ながら何も考えないようにした。
前の自分…。
北斗七星が涙でにじむ。

北斗に私は重すぎたのかな?
毎日毎日考えてるうちにだんだん疲れてきた。

今はなるようにしかならない…。


学祭の準備は順調に進んでいった。
私はメニューを書いてた。
絵を描いたりしながら…。

「うまいじゃん」

顔をあげるとりゅうくん。
同じバザー担当になってから話すようになった。

バリバリの野球少年。

サバサバしていて話しやすいりゅうくん。

「ありがとう…」

「あかねちゃんさ、いっつも休まずひたすら準備して疲れない?」

ひたすら何かしてないと今は無理だから。

「そんな事ないよ。楽しくて…」

嘘………。

りゅうくんは息抜きしながらでいいからと言って去っていった。

こらえきれなくなってりこに相談した。
北斗の事。
りこも気になっていたみたいで、むしろ私達が別れたと思っていたらしい…。
そう見える。
「聞いてくる‼」というりこを私は止めた。
今はまだ聞きたくない。
せめてこの学祭が終わってから聞きたい。

学祭前に本人から言われたら仕方ないけど…。

どちらにせよいい結果ではないとわかっている。

色んな事に北斗を巻き込んだし、私を嫌になっても仕方ないんだ。
私がしてきた事の代償。

りこに「ちゃんと話した方がいいよ」と言われた。

誰に何を言われても結局この悩みは北斗にしか解決できない事もわかってる。

だから…学祭の後に聞こうと決心した。

明後日…私達はどうなってる?

誰か…教えて…。
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