プラネタリウム
夏
また寝不足。
余計な事考えすぎた。
考えたところで答なんてでてこないのに。
気になってしまう。
涙のわけ…。
でも私が踏み込むことは出来ない。
二人だけの場所だから…。
桜もとうとう散ってしまったね。
セミのなき声がさらに暑さを感じさせる。
「おはよう」
いつもの朝。
北斗の声…。
いつもと変わらないね。
仲直りできたってことか…。
毎日話しているうちに少し北斗のことがわかった。
本屋でバイトしている事。
勉強が嫌いで授業中はほとんど寝てるんだって。
ノート真っ白に近いって笑ってた。
音楽を真っ暗な部屋で聞くのが好きな事。
とにかくプリンが好きとかなすびはいくつになっても食べられないとか毎日そんな話しをした。
何気ない会話だけど、私にとっては宝物だよ。
そんなある日、知らない子から話しかけられた。
見るからに敵対心丸出しで…
「あんた、北斗の何?」
「友達です」
「あっそ…北斗の何知ってるの?」
「………」
「近寄んな‼」
そう言い放っていなくなった。
何だったの?今の。
全く意味がわからない。
一体…どちら様だったのか…。
バイトに行くため急いで学校を出ようとした時、またさっきの子。
今度は仲間付き…。
だけどただそこにいるだけかもと思って、思いたくて、通り過ぎようとした瞬間…腕をつかまれた。
「待ってよ‼」
「何なんですか?今もさっきも…ごめんなさい急いでるので」
「この前、北斗に振られたの。あんたが原因?」
「違いますけど」
「ふざけんな‼」
バシッ‼
痛い…叩かれた?今…意味が全くわからない。
ふざけてないのに…
私は北斗のなんでもないのに…
何で…何で…叩かれたの…?
「急いでるので」
涙が落ちないうちに立ち去りたかった。
「逃げんなよ‼」
いつまで続くの?これ…
「北斗に聞いたらわかります。私達なにもないから…」
わざわざ言わせないでよ。
切ないよ…。
間違いなくなにもないから。
「呼び捨てとかありえない…」
同級生なのに…?呼び捨てもダメ…?
友達にもなってはいけないの?
そんなの嫌だよ…。
「なにしてんだよ」
聞いたことない低い声。
「………」
さっきの勢いはどこにいったのかおとなしくなった。
「さゆりさ…やめてくれよ。こういうの…」
さゆりっていうんだね…あなたの名前。
上をむけない私は地面とにらめっこしてる。
泣かないように必死なんだ。
泣いたら負け。
強くなるって決めたんだ。
「だって…北斗が急に別れようって言うから…」
もしかして…
後ろにいるのは北斗…?
二人の会話なんて聞きたくない。
「もう無理だから。好きな人他にいるし」
そうなんだ…。
2度目の失恋。
これからバイトだよ。
気分下がるし…。
ダブルパンチを避けられなかった私はKO負けだ。
完敗…。
「あかね、ごめんね」北斗は優しいね…。
今はその優しさが痛いよ…。
「大丈夫‼平気‼急いでるからまたね‼」
今は泣いていいよね。
もう、泣いてるけど…。
目を腫らしてバイトには行けないから、深呼吸した。
泣くな泣くなって…。
公園の水道で顔を洗って気合い入れたし、バイト頑張る‼
たった3時間のバイトがすごくすごく長く感じた。
ちゃんと笑えてるかな?
やっとやっと長い長いバイトが終わった。
泣きたい気持ちより、昨日の寝不足もあって本当に疲れてた…体も心も。
家までの道をどう歩いたかは全く覚えていない。
お風呂に入って、ベッドに倒れるように寝た。
一瞬で眠りに落ちた…。
心地よいあたたかさ。
ふわふわした布団…幸せ。
目覚まし時計が朝を知らせる。
「朝来るの早すぎ‼」
でも起きなきゃ…学校行かなきゃ…
知らず知らずにまた眠ってしまった。
気付けばお昼…お昼‼
「お母さん‼」
「何度起こしても起きないから…」
怒らないの?
「たまには体やすめるのもいんじゃない?」
その言葉に甘えて今日はダラダラしよう…。
水を飲んでまたベッドに入る…
記憶なんてすぐにとんでいった。
目覚めたのは夜の6時。
さすがにお腹すいた…。
リビングから話し声が聞こえる。
お客さん?
静かに静かに食料調達…。
「あかね…今日ズル休み?」
…えっ?待って…この声…北斗…だ…
「なんで?」
「りこ?に聞いた。家の場所」
「はぁ…」
「はい。今日のノート。移したら返して」
わざわざノートとってくれたの?
この前ノート真っ白に近いって言ってたのに…。
嬉しすぎてジャンプでもしちゃいたいくらいだよ。
「じゃぁ…帰ります。お邪魔しました」
「本当にありがとう‼」
「じゃぁ…明日…後…昨日はマジごめん。」
「気にしてないよ…明日ね」
気にしてないよ。
叩かれ事…。
そんな事より好きな人って誰?
そっちの方が気になるよ。
だから…これ以上好きにさせないで。
気持ちが大きくなっていく。
これ以上大きくなったら止められなくなりそうでこわい。
私は次の日から早目に家を出た。
北斗に会わないように。
さゆりという子に勘違いされる事より、北斗の「好きな人」に勘違いされたら迷惑だと思ったから…。
悲しい顔なんて絶対見たくない。
だからと言って…ノロケ話も聞きたくはない。
早く学校に着いたけど暇だよ。
やる事ないし…。
図書室で時間潰せばいいか。
いざ来てはみたけど、見たい本なんてない。
気まぐれに唯一好きな星の図鑑でも見る事にした。
ページは進まず…時計とにらめっこ。
そろそろ教室行こうって何だかんだ30分頑張った。
明日は遅くくればいい…。
教室に戻るとりこがいた。
一昨日の事を心配してくれた。
私今、学校である意味有名人らしい…。
気まずい。
こんな地味な私が男の子を略奪できる訳ないのに。
こんな小さな事でも不安になってしまうのは、やっぱり私の弱いところ。
だから乗り越えてやるんだ。
絶対強くなってやる。
そんな事を考えてたら、北斗がこっちに来た。
「今日、学校終わってから予定ある?」
何で?何で?何で?
「予定ないよ」
「じゃ…玄関で待ってる」
何?何があるんだ?
ただ一緒に遊ぼう的な?
ノートのお礼して…とか?
言うまでもなく何も手につかなかった。
昼休みりこに話した。
男の子に誘われた事ないし、どうしたらいいかわからなかったから。
だけど返事は「いつものあかねでいいじゃん」
以上。
無理‼無理‼絶対無理‼
変に意識しちゃって平常心なんて保てない。
こんな日は学校終わるまで早く感じた…。
余計な事考えすぎた。
考えたところで答なんてでてこないのに。
気になってしまう。
涙のわけ…。
でも私が踏み込むことは出来ない。
二人だけの場所だから…。
桜もとうとう散ってしまったね。
セミのなき声がさらに暑さを感じさせる。
「おはよう」
いつもの朝。
北斗の声…。
いつもと変わらないね。
仲直りできたってことか…。
毎日話しているうちに少し北斗のことがわかった。
本屋でバイトしている事。
勉強が嫌いで授業中はほとんど寝てるんだって。
ノート真っ白に近いって笑ってた。
音楽を真っ暗な部屋で聞くのが好きな事。
とにかくプリンが好きとかなすびはいくつになっても食べられないとか毎日そんな話しをした。
何気ない会話だけど、私にとっては宝物だよ。
そんなある日、知らない子から話しかけられた。
見るからに敵対心丸出しで…
「あんた、北斗の何?」
「友達です」
「あっそ…北斗の何知ってるの?」
「………」
「近寄んな‼」
そう言い放っていなくなった。
何だったの?今の。
全く意味がわからない。
一体…どちら様だったのか…。
バイトに行くため急いで学校を出ようとした時、またさっきの子。
今度は仲間付き…。
だけどただそこにいるだけかもと思って、思いたくて、通り過ぎようとした瞬間…腕をつかまれた。
「待ってよ‼」
「何なんですか?今もさっきも…ごめんなさい急いでるので」
「この前、北斗に振られたの。あんたが原因?」
「違いますけど」
「ふざけんな‼」
バシッ‼
痛い…叩かれた?今…意味が全くわからない。
ふざけてないのに…
私は北斗のなんでもないのに…
何で…何で…叩かれたの…?
「急いでるので」
涙が落ちないうちに立ち去りたかった。
「逃げんなよ‼」
いつまで続くの?これ…
「北斗に聞いたらわかります。私達なにもないから…」
わざわざ言わせないでよ。
切ないよ…。
間違いなくなにもないから。
「呼び捨てとかありえない…」
同級生なのに…?呼び捨てもダメ…?
友達にもなってはいけないの?
そんなの嫌だよ…。
「なにしてんだよ」
聞いたことない低い声。
「………」
さっきの勢いはどこにいったのかおとなしくなった。
「さゆりさ…やめてくれよ。こういうの…」
さゆりっていうんだね…あなたの名前。
上をむけない私は地面とにらめっこしてる。
泣かないように必死なんだ。
泣いたら負け。
強くなるって決めたんだ。
「だって…北斗が急に別れようって言うから…」
もしかして…
後ろにいるのは北斗…?
二人の会話なんて聞きたくない。
「もう無理だから。好きな人他にいるし」
そうなんだ…。
2度目の失恋。
これからバイトだよ。
気分下がるし…。
ダブルパンチを避けられなかった私はKO負けだ。
完敗…。
「あかね、ごめんね」北斗は優しいね…。
今はその優しさが痛いよ…。
「大丈夫‼平気‼急いでるからまたね‼」
今は泣いていいよね。
もう、泣いてるけど…。
目を腫らしてバイトには行けないから、深呼吸した。
泣くな泣くなって…。
公園の水道で顔を洗って気合い入れたし、バイト頑張る‼
たった3時間のバイトがすごくすごく長く感じた。
ちゃんと笑えてるかな?
やっとやっと長い長いバイトが終わった。
泣きたい気持ちより、昨日の寝不足もあって本当に疲れてた…体も心も。
家までの道をどう歩いたかは全く覚えていない。
お風呂に入って、ベッドに倒れるように寝た。
一瞬で眠りに落ちた…。
心地よいあたたかさ。
ふわふわした布団…幸せ。
目覚まし時計が朝を知らせる。
「朝来るの早すぎ‼」
でも起きなきゃ…学校行かなきゃ…
知らず知らずにまた眠ってしまった。
気付けばお昼…お昼‼
「お母さん‼」
「何度起こしても起きないから…」
怒らないの?
「たまには体やすめるのもいんじゃない?」
その言葉に甘えて今日はダラダラしよう…。
水を飲んでまたベッドに入る…
記憶なんてすぐにとんでいった。
目覚めたのは夜の6時。
さすがにお腹すいた…。
リビングから話し声が聞こえる。
お客さん?
静かに静かに食料調達…。
「あかね…今日ズル休み?」
…えっ?待って…この声…北斗…だ…
「なんで?」
「りこ?に聞いた。家の場所」
「はぁ…」
「はい。今日のノート。移したら返して」
わざわざノートとってくれたの?
この前ノート真っ白に近いって言ってたのに…。
嬉しすぎてジャンプでもしちゃいたいくらいだよ。
「じゃぁ…帰ります。お邪魔しました」
「本当にありがとう‼」
「じゃぁ…明日…後…昨日はマジごめん。」
「気にしてないよ…明日ね」
気にしてないよ。
叩かれ事…。
そんな事より好きな人って誰?
そっちの方が気になるよ。
だから…これ以上好きにさせないで。
気持ちが大きくなっていく。
これ以上大きくなったら止められなくなりそうでこわい。
私は次の日から早目に家を出た。
北斗に会わないように。
さゆりという子に勘違いされる事より、北斗の「好きな人」に勘違いされたら迷惑だと思ったから…。
悲しい顔なんて絶対見たくない。
だからと言って…ノロケ話も聞きたくはない。
早く学校に着いたけど暇だよ。
やる事ないし…。
図書室で時間潰せばいいか。
いざ来てはみたけど、見たい本なんてない。
気まぐれに唯一好きな星の図鑑でも見る事にした。
ページは進まず…時計とにらめっこ。
そろそろ教室行こうって何だかんだ30分頑張った。
明日は遅くくればいい…。
教室に戻るとりこがいた。
一昨日の事を心配してくれた。
私今、学校である意味有名人らしい…。
気まずい。
こんな地味な私が男の子を略奪できる訳ないのに。
こんな小さな事でも不安になってしまうのは、やっぱり私の弱いところ。
だから乗り越えてやるんだ。
絶対強くなってやる。
そんな事を考えてたら、北斗がこっちに来た。
「今日、学校終わってから予定ある?」
何で?何で?何で?
「予定ないよ」
「じゃ…玄関で待ってる」
何?何があるんだ?
ただ一緒に遊ぼう的な?
ノートのお礼して…とか?
言うまでもなく何も手につかなかった。
昼休みりこに話した。
男の子に誘われた事ないし、どうしたらいいかわからなかったから。
だけど返事は「いつものあかねでいいじゃん」
以上。
無理‼無理‼絶対無理‼
変に意識しちゃって平常心なんて保てない。
こんな日は学校終わるまで早く感じた…。