豊中まわり
中学生になると、毎日のテストや グループワークに追われた。

僕は 予定通り 祖父母の実家に預けられた。

最初は 週に何回も来ていたママも、ここの遠さと パパの実家である 居ずらさに、最近では 月に一度しか来ない。

中学の規則や勉強は 厳しかったが、家にいる時より自由を感じた。

中学のクラスメイトから学ぶことは多かった。

勉強はもちろんだが、僕より早口で、自分のことしか喋らないやつが多かった。

話の内容は面白く、いいやつばかりなのだが、
小学生の時、クラスメイトから 僕はこう見えていたのか…と思うと 自分を変えなければ。と思った。

深瀬が 僕の話を聞いてくれたように、僕も人の話を聞こう。

深瀬を好きになったことで、客観的に人間関係を見ることも できるようになった。

もし、いつか深瀬に会えたとき、少しでも自信をもっった自分でいたい。


祖父母との暮らしで 就寝が早くなり、暇で部活を始めた。

寝る前にはいつも深瀬を思い出す。

規則正しい生活のおかげか、運動のおかげか、高校生になるころには 背が20センチも伸びた。
まだまだ大きくなりそうだ。

深瀬は イケメンの彼氏でも できているかもしれない。

とっくに僕のことなど忘れているかもしれない。

でももし、いつかどこかで会えたなら、この気持ち 伝えられるだろうか。
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