豊中まわり
負けられない戦い
雨の合間のよく晴れた土曜日。
今日は氷上の試合の日。
学校の友達 美桜に
「一緒に行って下さい。」
って頼んだら、快諾してもらえた。
氷上のことも見たかったらしく、上機嫌だった。
サッカー場って来たの初めてだけど、何校か来ているらしく、場外も賑わっていた。
応援の人も思ったよりいるみたいで安心した。
美桜と中に入ると、試合前の練習をしている氷上が目に入った。
「結莉の彼氏はどれー?」
美桜が面白がって聞いてくる。
「あの11番」
遠くからでもわかる。
氷上だけ特別に見える。
毎日、電話やメールはしてるけど、実際に会うのは久しぶり。
デートの時はすぐ近くに感じられたけど、
こうして遠くから見つめていると、片想いのころに戻ったようだった。
「超かっこよくない?
めっちゃもてそう。
今まで彼女いなかったのかな?
でも、結莉も超美人だし、お似合いだね‼」
美桜が興奮気味。
「めっちゃモテると思うよ。
彼女は…いたことあるのかなぁ。
知りうる限りなさそうだけど…。」
私も本当のところは知らない。
モテるのは知ってる。
ファンクラブ…もしや今でもあるのかな。
氷上の言葉を信じるなら、ずっと両思いだったはず。
端の方に座りに行こうとすると、見覚えのある人が目に入った。
背の高いスラッとした女性。
まわりの人とおそろいのTシャツを着ている。
氷上のお母さんだ。
親御さん達の応援団だろうか、皆慌ただしくしている。
久しぶりで、釘付けになっているとふと目があった。
「こんにちは。お久しぶりです。」
とっさに挨拶はできたけど、そう言えば付き合ってること、氷上はお母さんに言ったのだろうか。
それならもっとちゃんと 挨拶しなければ いけないのではないか。
言ってなかったら私から言うのも変なのかな…
と考えていると
「深瀬結莉ちゃん?久しぶり!もしかして涼 応援に来てくれたの?」
氷上のお母さん変わってない。
明るい感じが氷上と一緒。
しかもフルネーム覚えてくれてた!
「あっ。はい。あの…」
「氷上さーん。予備のコップってどこかしらー」
と、他の親御さんに呼ばれた。
「はーい。今行くー。結莉ちゃん。また後で!」
明るい余韻を残して、颯爽と行ってしまった。
また後で…ってことは、付き合ってること知ってるのかな?
ああ。ちゃんと挨拶できなかった…。
後でちゃんと話しに行こう。
「今の誰?」
と美桜が不思議そうに聞いた。
「彼のお母さん。」
「えぇ!知り合いなの?すごいね。」
「小学生の時、家に遊びに行ったことがあって、色々迷惑かけたから覚えてくれてたんだと思う。試合終わったら、挨拶しにいくわ。」
「息子さんを私に下さい!って?」
美桜が完全にふざけて言った。
今日は氷上の試合の日。
学校の友達 美桜に
「一緒に行って下さい。」
って頼んだら、快諾してもらえた。
氷上のことも見たかったらしく、上機嫌だった。
サッカー場って来たの初めてだけど、何校か来ているらしく、場外も賑わっていた。
応援の人も思ったよりいるみたいで安心した。
美桜と中に入ると、試合前の練習をしている氷上が目に入った。
「結莉の彼氏はどれー?」
美桜が面白がって聞いてくる。
「あの11番」
遠くからでもわかる。
氷上だけ特別に見える。
毎日、電話やメールはしてるけど、実際に会うのは久しぶり。
デートの時はすぐ近くに感じられたけど、
こうして遠くから見つめていると、片想いのころに戻ったようだった。
「超かっこよくない?
めっちゃもてそう。
今まで彼女いなかったのかな?
でも、結莉も超美人だし、お似合いだね‼」
美桜が興奮気味。
「めっちゃモテると思うよ。
彼女は…いたことあるのかなぁ。
知りうる限りなさそうだけど…。」
私も本当のところは知らない。
モテるのは知ってる。
ファンクラブ…もしや今でもあるのかな。
氷上の言葉を信じるなら、ずっと両思いだったはず。
端の方に座りに行こうとすると、見覚えのある人が目に入った。
背の高いスラッとした女性。
まわりの人とおそろいのTシャツを着ている。
氷上のお母さんだ。
親御さん達の応援団だろうか、皆慌ただしくしている。
久しぶりで、釘付けになっているとふと目があった。
「こんにちは。お久しぶりです。」
とっさに挨拶はできたけど、そう言えば付き合ってること、氷上はお母さんに言ったのだろうか。
それならもっとちゃんと 挨拶しなければ いけないのではないか。
言ってなかったら私から言うのも変なのかな…
と考えていると
「深瀬結莉ちゃん?久しぶり!もしかして涼 応援に来てくれたの?」
氷上のお母さん変わってない。
明るい感じが氷上と一緒。
しかもフルネーム覚えてくれてた!
「あっ。はい。あの…」
「氷上さーん。予備のコップってどこかしらー」
と、他の親御さんに呼ばれた。
「はーい。今行くー。結莉ちゃん。また後で!」
明るい余韻を残して、颯爽と行ってしまった。
また後で…ってことは、付き合ってること知ってるのかな?
ああ。ちゃんと挨拶できなかった…。
後でちゃんと話しに行こう。
「今の誰?」
と美桜が不思議そうに聞いた。
「彼のお母さん。」
「えぇ!知り合いなの?すごいね。」
「小学生の時、家に遊びに行ったことがあって、色々迷惑かけたから覚えてくれてたんだと思う。試合終わったら、挨拶しにいくわ。」
「息子さんを私に下さい!って?」
美桜が完全にふざけて言った。