豊中まわり
氷上 涼

我慢

夏休みも残り少なくなったオフの日

少し曇りがちだけど、暑すぎず絶好のUSJ日和。

今日は深瀬と一日中いられる。

今日の俺の目標は、爽やかデートだ。

やましいことはしない。

深瀬の目を見ても、まずは落ち着く。

手を出さない。

でも、距離はとらない。

自分なりに理性を保てる適正距離をとっていたら、深瀬に誤解された。

避けられている と。

好きすぎて避けているなんて、どう言えば伝わるのだろうか。

近づくと襲ってしまうから…

なんて理由は言えるはずもなく。

だから今日は、近づくけど、理性を保つ。

それが目標。

深瀬も、今日は動ける格好だから大丈夫かも。

Tシャツにジーンズ。

可愛いけど、最近の悩殺薄着コレクションよりマシ。

最近の深瀬はマジヤバかった。

ノースリーブ率高いし。

基本、薄い色の服が多い。

だから、下着が気になってしょうがない。

深瀬は、絶対可愛い下着をつけている。

中学女子がよく着る、一体型のものではない。

繊細なやつだ。

しかも深瀬は、細いのに胸が大きい。

前の勉強の日、俺が見とれてたいたのは

ズバリ 深瀬の胸の谷間だった。

絶対言えない。

ドン引きどころじゃない。

でも、でも、無理に見たわけじゃない。

深瀬がプリントを落とした時、

拾って見上げたら、そこにあったんだ。

前屈みになった深瀬の服の隙間から、

ブラジャーと谷間が…俺の想像を越えた世界がそこにはあった。

一瞬釘付けになったことを深瀬は気付いていない。

そして気づかれてはいけない。

不純な気持ちでいっぱいの俺を。

一瞬で谷間とブラジャーをばっちり記憶した俺を。

見とれていたものは、他にもある。

深瀬の耳のホクロ

ちょうど耳裏にあって、

深瀬が近くで勉強を教えてくれるから、

耳が俺の口元に来て…

リビングじゃなかったら、

弟がいなかったら、絶対触れていた。

ホクロのあるあたりをゆっくり味わいたかった。

その妄想がもう止まらない。

本当に勉強どころじゃないんだ。

だけど、成績落ちたら深瀬、責任感じそうだから、他の日、必至に勉強してる。

結局母さんの思惑どうりだ。

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