豊中まわり
何もメールの文章が思い付かないまま、時間だけが過ぎていった。
涼からもメールも電話も来ない。
鳴らないスマホを置いて、涼のシャツを抱きしめた。
さっきまでこのベッドの上に涼がいて、私に触れていたなんて信じられない。
一瞬でこんなに不安になるなんて。
一瞬でわからなくなるなんて。
天井を見上げ泣きそうになっていると、
スマホが鳴った。
涼かな!と思って急いでみると、
涼のお母さんからのメールで驚いた。
ーー今日は涼がお邪魔しました。
あの子何かやらかしてない?
帰ってからちょっと様子がおかしいから、何か失敗したんじゃないか…と思って。
あと、涼から聞いてるかもしれないけど、涼の学校の文化祭があるの。
私もサッカー部母の会で焼そば作ることになってるから、結莉ちゃんも是非食べに来てね。
他の子に遠慮して断っちゃだめよ!
涼の彼女は結莉ちゃんなんだから。ーーーーー
お母さん…失敗したのは私です…。
涼は、ちゃんと大切に思ってくれているのに、拒んでしまって…こんなんで彼女って言えるんでしょうか。
もし、自分が涼に拒まれたら、きっと立ち直れないぐらい傷つくのに。
なんでダメだったんだろう。
私が、すごい好きだって言って、
嫌いになり方がわからない…って言って、
もし拒まれたら、ドン底に落ち込む。
絶対傷つく。
私、涼を傷つけた。
文化祭…もしかしたら、今日誘おうと思ってくれてたのかな。
でも、こんな彼女、来て欲しくないよね。
焼そば…食べたいけど、涼に合わせる顔がない。
涼から誘われてもないのに行けない。
涼のお母さんは、私が、涼ファンの子に遠慮して行かないと思って、メールくれたんだ。
優しい…。涼も。涼のお母さんも。
ごめんなさい。ごめんなさい。
メールには書けない思いが溢れだした。
私はなんて未熟なのだろう。
ーーーこんばんは。涼君は私の母ともたくさん喋ってくれて、うれしかったです。
ただ、私にダメな所が多いので、いつも涼君に嫌な思いをさせて申し訳ありません。
文化祭は、焼そば食べに行きたいです。ーーー
うまく文章がでてこなくて、これで精一杯だった。
彼女面して文化祭なんて、呼ばれてもないにに行けるはずがない。
フォンとスマホがなって、すぐに返信がきた。
ーーー結莉ちゃんがダメなんじゃなくて、一瞬でもそう思わせた涼が悪いのよ。
結莉ちゃんは涼には勿体ないぐらいなんだから。
あの子も私も、あなたのこと大好きなのよ。
それだけは絶対よ。おやすみーーーー
なんて優しい人なんだろう。
涙がまた溢れ出た。
こんな優しく、私を好きだと言ってくれる人を自分から手離してはいけない。
そう強く思い、その勢いのまま涼にメールをうった。
ーーー大好きです。勇気がでなくてごめんなさい。
嫌な気持ちにさせてごめんなさい。
今日の涼からの言葉は本当に嬉しかった。
いつ…って決められないけど、涼と色んなこと経験していきたいって思ってる。
だからまだ、彼女でいたいです。ーーー
送信すると、すぐにスマホが鳴った。
メールでなく涼からの電話だった。
あわてて出ると、涼が慌てて話し出した。
「結莉が謝ることなんてひとつもないんだよ。
俺が、俺がダメなんだよ。いつも。
結莉を我慢できないんだよ。
お願いだから、まだ彼女でいたい とか言わないで。
ずっと彼女でいてよ。」
涼の優しい声に安心して、涙が止まらなかった。
「うん。」
「今日は怖い思いさせてごめん。」
「ううん。怖くなかったよ。ただ、色々考えてすぎちゃって。」
「何も考えてなくてごめん。」
「そういう意味じゃなくて!」
「そういえば、今日誘おうと思ってたんだけど…」
「文化祭?」
「なんで知ってるの?」
「お母さんに誘われたから。」
「なんだよそれ。で、来てくれる?絶対守るから。」
「うん。守ってくれるの?涼のファンから。」
「そんなのもういないと思うけど。俺の彼女、めっちゃ可愛いって噂流してるから。」
「えーーっ。勝手にハードル上げないでよ。」
さっきまで落ち込んでいたのが嘘みたいだ。
不安がスーっと胸から消えていく。
涼の優しい声が心地よい。
涼もそう感じてくれてたらいいな。
涼からもメールも電話も来ない。
鳴らないスマホを置いて、涼のシャツを抱きしめた。
さっきまでこのベッドの上に涼がいて、私に触れていたなんて信じられない。
一瞬でこんなに不安になるなんて。
一瞬でわからなくなるなんて。
天井を見上げ泣きそうになっていると、
スマホが鳴った。
涼かな!と思って急いでみると、
涼のお母さんからのメールで驚いた。
ーー今日は涼がお邪魔しました。
あの子何かやらかしてない?
帰ってからちょっと様子がおかしいから、何か失敗したんじゃないか…と思って。
あと、涼から聞いてるかもしれないけど、涼の学校の文化祭があるの。
私もサッカー部母の会で焼そば作ることになってるから、結莉ちゃんも是非食べに来てね。
他の子に遠慮して断っちゃだめよ!
涼の彼女は結莉ちゃんなんだから。ーーーーー
お母さん…失敗したのは私です…。
涼は、ちゃんと大切に思ってくれているのに、拒んでしまって…こんなんで彼女って言えるんでしょうか。
もし、自分が涼に拒まれたら、きっと立ち直れないぐらい傷つくのに。
なんでダメだったんだろう。
私が、すごい好きだって言って、
嫌いになり方がわからない…って言って、
もし拒まれたら、ドン底に落ち込む。
絶対傷つく。
私、涼を傷つけた。
文化祭…もしかしたら、今日誘おうと思ってくれてたのかな。
でも、こんな彼女、来て欲しくないよね。
焼そば…食べたいけど、涼に合わせる顔がない。
涼から誘われてもないのに行けない。
涼のお母さんは、私が、涼ファンの子に遠慮して行かないと思って、メールくれたんだ。
優しい…。涼も。涼のお母さんも。
ごめんなさい。ごめんなさい。
メールには書けない思いが溢れだした。
私はなんて未熟なのだろう。
ーーーこんばんは。涼君は私の母ともたくさん喋ってくれて、うれしかったです。
ただ、私にダメな所が多いので、いつも涼君に嫌な思いをさせて申し訳ありません。
文化祭は、焼そば食べに行きたいです。ーーー
うまく文章がでてこなくて、これで精一杯だった。
彼女面して文化祭なんて、呼ばれてもないにに行けるはずがない。
フォンとスマホがなって、すぐに返信がきた。
ーーー結莉ちゃんがダメなんじゃなくて、一瞬でもそう思わせた涼が悪いのよ。
結莉ちゃんは涼には勿体ないぐらいなんだから。
あの子も私も、あなたのこと大好きなのよ。
それだけは絶対よ。おやすみーーーー
なんて優しい人なんだろう。
涙がまた溢れ出た。
こんな優しく、私を好きだと言ってくれる人を自分から手離してはいけない。
そう強く思い、その勢いのまま涼にメールをうった。
ーーー大好きです。勇気がでなくてごめんなさい。
嫌な気持ちにさせてごめんなさい。
今日の涼からの言葉は本当に嬉しかった。
いつ…って決められないけど、涼と色んなこと経験していきたいって思ってる。
だからまだ、彼女でいたいです。ーーー
送信すると、すぐにスマホが鳴った。
メールでなく涼からの電話だった。
あわてて出ると、涼が慌てて話し出した。
「結莉が謝ることなんてひとつもないんだよ。
俺が、俺がダメなんだよ。いつも。
結莉を我慢できないんだよ。
お願いだから、まだ彼女でいたい とか言わないで。
ずっと彼女でいてよ。」
涼の優しい声に安心して、涙が止まらなかった。
「うん。」
「今日は怖い思いさせてごめん。」
「ううん。怖くなかったよ。ただ、色々考えてすぎちゃって。」
「何も考えてなくてごめん。」
「そういう意味じゃなくて!」
「そういえば、今日誘おうと思ってたんだけど…」
「文化祭?」
「なんで知ってるの?」
「お母さんに誘われたから。」
「なんだよそれ。で、来てくれる?絶対守るから。」
「うん。守ってくれるの?涼のファンから。」
「そんなのもういないと思うけど。俺の彼女、めっちゃ可愛いって噂流してるから。」
「えーーっ。勝手にハードル上げないでよ。」
さっきまで落ち込んでいたのが嘘みたいだ。
不安がスーっと胸から消えていく。
涼の優しい声が心地よい。
涼もそう感じてくれてたらいいな。