俺様がキライな女だっているんです!
相思相愛
「ちょっと待って!皇って…東の天辺の皇組か?!」

焦りながら追いかけてくる加賀見虹に、立ち止まりもせず、

「だったら何だ?」

冷たく吐き捨てる桐。

「いや、それこそ一般人の蓮と関わっていいのか?」

私達は立ち止まって、加賀見虹を真っ正面から見る。

『それ、あんたに関係あるの?私は物心ついた頃から、桐と一緒なの。すべてわかってるの。ちなみに私は一般人だけど、うちのおじいちゃんが西の天辺の相馬組だから。今はパパさんの兄が継いでるけど。うちは相馬グループだし、それは兄が後継ぎだから私関係ないし。』

「そうそう。だから、蓮がオレの嫁なのは決まってんだよ。いい加減諦めろ。」

私のあとに桐がはっきりとした口調で言う。

「相馬組…相馬グループ…!蓮、お嬢様?!」

ブツブツ言ってるから、これひとりごとと捉えていいよね?

答える必要ないか。

もう本当にメンドクサイ。

「ねぇ、加賀見くん?蓮の傍にいて諦められるなら、友達になってもらえば?しつこくするなら無理だけどね。」

柚乃?!

なんか優しいこと言ってる!

厳しい柚乃さんにはエライ譲歩なんですけど。

「何言ってんの?」

桐がちょっと強めに柚乃を問い詰める。

顔こわいよ。

「なる!なりたい、友達!」

テンション上がる加賀見虹。

「だってさ、加賀見くんの食い散らかした女避けに、本人居れば近づけないでしょ。まぁ、今までも蓮一人の時ばっか狙われたけどさ。私達よりも本人のほうが、もっと効果的かなって。」

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