俺様がキライな女だっているんです!
「やだぁ。諦めない!歌わせてくれるまで来る!」

しつこいな。

この時間も練習できたのに。

と、その時舞花のスマホが鳴り出して、「またくるからねぇ~。蓮、せいぜい練習して待っててねぇ。」って、捨て台詞吐いて去っていった。

相変わらず残念な子…。

「誰が歌わせるか!なんだ、アイツ?!」

虹、キレてます。

「あの女、ほんっと合わない!顔も見たくないのに、ライブ来るから、しょっちゅう会うのよね。はぁ~本当に蓮と血が繋がってんのかって位、性格ブス!」

柚乃、毒が駄々漏れです。

桐、祢音、凱は私のイトコだからか、顔には出てても何も言わない。

隣に来た桐に違和感を感じる。

舞花の匂いだ。

桐から舞花の匂いがするなんて、気分悪い。

それにいち早く気がついたのは柚乃。

「ねぇ、上着脱いだら?匂い移って臭い。」

若干トゲがあるのは気のせいじゃないね。

何も言わない桐に苛立ってるのは、私だけじゃないみたい。

「ああ。」

気がついて、上着を脱ぎ出す桐。

「今日はもう練習になんないでしょ?蓮、パンケーキ食べにいこ。」

そのままズルズル引きづられながら、柚乃についていく。

後ろから、桐の私を呼ぶ声が聞こえたけど、振り向かずにスタジオをあとにした。
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