俺様がキライな女だっているんです!
「沖縄いいなぁ。てか、もう暑いなぁ。すげぇ!」

テンション高い虹は、きっと私の為だろうな。

最初の俺様時代からすると、だいぶ変わったよね。

『海キレイ。移住したい。』

「おお。一緒に住もうぜ。観光客相手になんか商売してさ。何がいいかなぁ。」

本気で考えてる風の虹に、笑いがでる。

『バーとかは?沖縄の人、集まりも遅いから朝方までやってて飲めるってよくない?』

「おっ、いいな。オレ達酒強いからな!」

楽しそうに便乗してくれる虹。

今はただ、桐のこともバンドのことも何もかも忘れて、笑っていたい。

初めて、虹がいてくれて良かったって思ってしまった。

「バーの名前は…ん~と…レインボーだな!虹は“にじ”と読むから、英語でレインボーだろ?“レン”って字も中に入ってるから、これに決定!」

『ださっ!』

「ええ~。いいじゃん。昼間はカフェ・レインボーで、夜はバー・レインボー。」

『まぁ、でも悪くないな。』

「だろっ?!」

嬉しそうに笑う虹に、私も自然といつもの笑顔に戻った気がする。

虹、ありがとう。

少し元気になったよ。

とりあえず、柚乃には連絡しとこうかな。

捜索願い出されたら困るし。



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