俺様がキライな女だっているんです!
ポケットからスマホを取りだし、電源をいれる。

途端に鳴り出したスマホ。

あっ。

ナイスタイミングだわ。

『もしもし、柚乃?』

“蓮!今何処?!”

焦る柚乃の声。

『桐には言わないで。これだけ最初に約束して。』

“えっ?!”

『お願い。』

私の真剣な声に、少し間を置いて。

“わかったわ。で、何があったの?まぁ、だいたいわかるけど。限界きたんでしょ。”

『…うん。今日、スタジオ行ったら、舞花がいて楽しそうにみんなでセッションしてた。しかも、桐が私を思って作ったっていってくれた曲。そこに私の居場所はなかった。』

“…殺す。私が成敗するから、帰って来なさい。”

『ふっ。柚乃強い。』

思わず笑いがでる。

“で、何処にいるの?”

『楽園。だから、もうちょっと癒されてから帰るね。』

“…蓮…。あっ、ちょっと返して!”

なんか向こうが騒がしい。

“蓮!何処にいる?今すぐ迎えに行くから!”

桐…。

一緒だったんだ。

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