俺様がキライな女だっているんです!
それから。

家に行ったけど帰ってなくて、手当たり次第探したけど見つからない。

祢音も凱も探してくれてるけど、どうしても見つけられなかった。

半日過ぎて夕方になり、ファミレスに四人で集まった。

柚乃も無理矢理、凱に連れてきてもらった。

「全員、手がかりなしか…。」

祢音がボソッと呟く。

オレ達のテーブルだけ、暗すぎてお通夜みたいな感じだ。

「蓮ね、心が落ち着く所で癒されたいって何度も言ってたの。この1週間、練習もイヤで堪らなかったみたいだけど、迷惑かけれないから行くっていつも自分に言い聞かせるように言ってたの。涙目は隠せてなかったけどね。桐は舞花にくっつかれてもイヤじゃないんだね…って、悲しそうに言ってて、逆に私が誰かにくっつかれても、何ともなくなっちゃったのかな?って。」

「イヤに決まってる!ああっ、くそっ!オレ最低だ。蓮をずっと泣かせて、ただ時間が過ぎること願ってただけなんて。ライブ終われば、一旦落ち着いてスタジオにも集まらないし、あの女と会わなくていいから、それまで我慢すればって。でも、蓮に少しずつ避けられ始めて、焦って一気に終わらせたくて、間違ったんだ。」

泣きそうな情けない顔してんのはわかってんだけど、どうしようもない。

今、蓮が隣にいない。

その事実がこんなに苦しいなんて。

想像以上だった。
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