俺様がキライな女だっているんです!
ちなみに加賀見虹はポカンと口を開けたまま。

アホ面だな。

女にそんなこと言われたことないのか。

『とゆーわけで、楽譜!』

「返したら、もう会わねーとか言うんだろ?」

『当たり前だよね。視界にもいれるかどうか微妙だよね。』

「マジ?!」

そのあと、絶句したままなんですけど。

桐は我慢出来なくて、クスクス笑ってる。

我に返ったやつは、(もうメンドイからやつ呼ばわりでいいや)私の腕を掴んできた。

「じゃあ、返さない!」

「何言ってんの?」

すかさず、桐が怖い顔して私を引き寄せる。

私もぎゅっと抱きつく。

「付き合ってんの?」

なんか大声でうるさい。

『ねぇ、もう一回譜面書くから、桐手伝って。みんなに今日見てもらう約束したから。』

「そっちのが早いな。」

『でしょ?私歌うから、桐は譜面書いてよ。』

「いいよ。」

「おいっ。二人の世界に入るなよ!」

うるさいやつに横やりされる。

私はちらっとやつを見て、『何?』って短く聞いてみた。

返さないのなら、用はないもん。

「返してやろうか?オレと付き合ってくれたら、すぐ返すよ?」
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