晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

「最低だったのは私だよ。真田の本当の気持ちを確かめようともしないで、憶測なんかで言っちゃいけないことを言った」


あの時の真田の顔が忘れられない。

真意も知らないくせに言葉を放って、真田を怒らせた。

でも今思えば、あの表情の中には悲しみも含まれていた。怒りに覆われて見えづらかったけれど。

私は、真田を傷つけたんだ。


「私が謝らなくちゃいけないってわかってたのに、怖くて、逃げてばっかりで……」


意識しないと、末尾にかけて声がどんどん小さくなっていく。

それじゃダメだって思い直して、再びお腹に力を込めた。


「勝手なこと言って、すごく後悔してる。本当にごめんなさい」


腰を折って、さっきの真田と同じように頭を下げた。

だけど、言いたいことはまだ終わりじゃなくて。がばっと顔を上げて、困惑の色が浮かぶ真田の目と再び視線を絡ませた。


「だけど、真田に元気を取り戻してもらいたかったのは本当なんだよ。ちょっとクールで、私のダメなところをズバズバ切ってく、そんな真田のことが、私は本当に大好きなんだよ」