晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
見てきてくれるらしいので、素直に甘えて康介が戻ってくるのを待つ。

誰が一緒のクラスか気にならないわけじゃないけど、教室に行けばわかることだしなぁ。


2分もしないうちに、彼は団子を抜け出してこちらに歩み寄ってきた。その表情は、どこか暗く見える。


「どうだった?」

「最悪」

「なんで」

「最後の最後にお前と一緒」


暗い表情の原因はそれかーい!

拳を作って、グーで肩を殴ってやる。

いてっと声を上げて顔を顰めた康介だけど、あんたが悪いんだからね。ふん。


「嘘だって。怒んなよ」

「怒ってないし。クラスはどこよ」

「言い方が怒ってんじゃねーか。7組だよ、担任は花ちゃん」


聞くと、南山も同じクラスらしい。

真田は理系クラスである8組。クラスは隣だけど、2クラスずつに割り振られる体育は一緒に行うことになる。


文系一番最後のクラスと理系一番最初のクラスは、真田と授業が被る唯一の可能性だったから、すごく嬉しい。

南山と同じクラスになるのは初めてだし、康介とも中学以来だ。

最後の1年、なんだか賑やかになりそうだなぁ!




春休みの間も、リョータとの文通は続いていた。

身の回りで起こった面白いこととか、本の感想とか。他愛もないことを沢山話した。
< 147 / 386 >

この作品をシェア

pagetop