晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
その時の寂しそうな表情の意味を、私が知ることはきっとないんだと思う。


「……うん。今日も、空っぽ」

「そっか」


どうして手紙が来なくなったんだろう。

送った手紙に、変なこと書いたっけ? ……いや、いつも通りだったよなぁ。

私の好意がバレた? そんなつもりで文通してたんじゃないのに、って引いた? ……さすがにバレてないと思いたい。私の気持ちを知ってる2人が誰かに話したとも考えにくい。

やり取りが絶えた理由を必死に探してみても、これだ! って思い当たることは何もないんだ。


だからこそ怖い。

無意識のうちに何かしてしまったんじゃないか。愛想を尽かされてしまったんじゃないか。

そんかことをぐるぐると考えては、心がずーんと沈んでしまう。


「インフルとノロウイルスのダブルパンチでも食らってんじゃない?」

「何それ、この季節に?」

「あんまり深く考えないほうが身のためってことよ」
< 259 / 386 >

この作品をシェア

pagetop