晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
適当な言葉を見つけられないでいると、美羽は眉を下げて小さく息を吐いた。
「私、別に突出した才能があるわけじゃないからね」
「そんなこと……!」
「あるんだよ。ここにいたらよくわかる」
息を切らせながら階段ダッシュをこなしている部員達に視線が向けられる。
ここに──血反吐吐くほどの努力を重ねてきた部員が集まっているこの場所に。
「陸上はそりゃ好きだけどさ。この先を考えた時に、好きな気持ちだけじゃどうにもならなそうだなーって思ったんだ」
「美羽……」
「と、取り急ぎ報告でした。インハイは県大会で終わっちゃったけど、国体目指してもうちょっと頑張るつもりだからよろしくね!」
何か言わなきゃと思うのに結局最後まで声は出なくて、階段ダッシュの順番が回ってきたので会話は中断されてしまった。
「世知辛い……」
お昼休み。食べ終えたお弁当を片して机に突っ伏したまま呟くと、頭上でプッと吹き出す音が聞こえた。
体を起こさないまま顔を上げると、腕を突いた真田と視線が絡む。忌々しそうに睨んでやると、彼女はコホンと軽い咳払いをした。
「私、別に突出した才能があるわけじゃないからね」
「そんなこと……!」
「あるんだよ。ここにいたらよくわかる」
息を切らせながら階段ダッシュをこなしている部員達に視線が向けられる。
ここに──血反吐吐くほどの努力を重ねてきた部員が集まっているこの場所に。
「陸上はそりゃ好きだけどさ。この先を考えた時に、好きな気持ちだけじゃどうにもならなそうだなーって思ったんだ」
「美羽……」
「と、取り急ぎ報告でした。インハイは県大会で終わっちゃったけど、国体目指してもうちょっと頑張るつもりだからよろしくね!」
何か言わなきゃと思うのに結局最後まで声は出なくて、階段ダッシュの順番が回ってきたので会話は中断されてしまった。
「世知辛い……」
お昼休み。食べ終えたお弁当を片して机に突っ伏したまま呟くと、頭上でプッと吹き出す音が聞こえた。
体を起こさないまま顔を上げると、腕を突いた真田と視線が絡む。忌々しそうに睨んでやると、彼女はコホンと軽い咳払いをした。