晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
何かあったのかなって、心配になる。


でも、何も知らない俺は下手なことを言えないし、無神経にそのワケを聞くこともできない。

だから、せめて俺の大切な言葉を伝えさせてください。


“走り続けることは苦しい。
でも、その苦しみの先には、見たこともない景色が必ず広がっている。”


挫けた時、俺を救ってくれた言葉です。

どうかこれが、君の背中を押すものになりますように。】




涙が、次から次へと溢れた。まるで、ダムか何かが決壊したみたいな勢いだった。


何も知らないはずなのに、どうして私が欲しいものをくれるの。

決して押し付けがましくない、でもはっきりとした力を持つ言葉を。
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