晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
19時過ぎに部活を終え、急いで帰る支度をして学校を飛び出す。
それから、20時までという面会時間ギリギリにリョータの病室に滑り込んだ。面会の許可は、色々聞かせてもらった時にリョータのお母さんから取ってある。
相変わらず、リョータはベッドの上で静かに眠っていた。
「こんばんは、登坂です。お邪魔するね」
意識がなくても、呼びかけた声は聞こえている。いつかどこかで聞きかじった話を信じて、声を掛けてから薄暗い一角に足を踏み入れる。
枕元の棚に立て掛けられていた折り畳み式の椅子を広げて、そこに腰を下ろした。
「なんか……こうやって2人になるのは初めてだから、落ち着かないね」
前は彩音ちゃんがいたし、リョータのお母さんとの話をした後は病室には寄らずに帰路についた。
いざ2人きりとなると、緊張してうまく言葉が出ないや。
好きな人と2人きりだと照れるなんていう感情がいっちょまえに私にもあるんだなぁ、なんてことを、遠いところで思う。
同時に、遠くで何かのメロディーとアナウンスが聞こえてきた。恐らく、面会者に帰宅を促すもの。
スカートのポケットに突っ込んだスマホで時間を確認すると、19時50分だった。
それから、20時までという面会時間ギリギリにリョータの病室に滑り込んだ。面会の許可は、色々聞かせてもらった時にリョータのお母さんから取ってある。
相変わらず、リョータはベッドの上で静かに眠っていた。
「こんばんは、登坂です。お邪魔するね」
意識がなくても、呼びかけた声は聞こえている。いつかどこかで聞きかじった話を信じて、声を掛けてから薄暗い一角に足を踏み入れる。
枕元の棚に立て掛けられていた折り畳み式の椅子を広げて、そこに腰を下ろした。
「なんか……こうやって2人になるのは初めてだから、落ち着かないね」
前は彩音ちゃんがいたし、リョータのお母さんとの話をした後は病室には寄らずに帰路についた。
いざ2人きりとなると、緊張してうまく言葉が出ないや。
好きな人と2人きりだと照れるなんていう感情がいっちょまえに私にもあるんだなぁ、なんてことを、遠いところで思う。
同時に、遠くで何かのメロディーとアナウンスが聞こえてきた。恐らく、面会者に帰宅を促すもの。
スカートのポケットに突っ込んだスマホで時間を確認すると、19時50分だった。