晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
「ずっとここにいられたらいいのになぁ」


会えるのが20時までだなんて短すぎる。

部活を終えて超特急で向かっても、リョータに会える時間は僅かしかない。

でも、部活を休んだりは絶対にしないよ。君に会いたいから部活サボって来ました、なんてリョータが赦すはずないし、赦すリョータを好きだなんて思えないから。


「ちょっとの時間しかいられないけど、来れる時は毎日来るね。うざかったらごめん」

「…………」

「……そうだ」


膝の上に乗せたエナメルバッグの中から昨日書いた手紙を取り出して、ベッドサイドの棚に置く。


「手紙、昨日書いたんだ。久しぶりだから、ちょっと緊張しちゃった」

「…………」

「棚に置いておくね。起きたら読んで。明日も明後日も、リョータが手紙の返事をくれるまでずっと、書き続けるから」


君が目を覚まして、君の手でこの手紙が読まれる日が来ることを、信じてる。

いつか、君の真っ直ぐな瞳に私を映してくれる日が来ることを。
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