晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
私が食いついたのを悟ったのか、康介が溜め息交じりに口を開いた。
「“崚ちゃんが目を覚ましたって、登坂千鶴に今すぐ伝えて!”だってよ」
「……っ!」
それは予想もしなかった吉報で、私は思わず、息を止めてしまう。
「崚ちゃんて、リョータってやつのことか? ……まぁそれはいいとして、なんで俺のとこに来たのかわかんねーし。とにかく、俺は確かに伝えたからな!」
本当にすぐ連絡してくれたのか、康介はまくし立てるように言葉を並べてから急ぎ足で電話を切ってしまう。
通話終了を知らせる機械音が耳元から離れて、私はその場から動けなくなる。
リョータが……目を、覚ました……?
言葉の意味を改めて理解して、今度は涙が溢れてきた。
「……っ」
リョータが目を覚ました。生きて、戻ってきてくれた。
熱い雫が瞳の奥から次から次へと湧いては、ジャージの上に滑り落ちていく。
信じてた。リョータは絶対に目を覚ますって。
それでも、怖かった。怖くて仕方なかった。
「“崚ちゃんが目を覚ましたって、登坂千鶴に今すぐ伝えて!”だってよ」
「……っ!」
それは予想もしなかった吉報で、私は思わず、息を止めてしまう。
「崚ちゃんて、リョータってやつのことか? ……まぁそれはいいとして、なんで俺のとこに来たのかわかんねーし。とにかく、俺は確かに伝えたからな!」
本当にすぐ連絡してくれたのか、康介はまくし立てるように言葉を並べてから急ぎ足で電話を切ってしまう。
通話終了を知らせる機械音が耳元から離れて、私はその場から動けなくなる。
リョータが……目を、覚ました……?
言葉の意味を改めて理解して、今度は涙が溢れてきた。
「……っ」
リョータが目を覚ました。生きて、戻ってきてくれた。
熱い雫が瞳の奥から次から次へと湧いては、ジャージの上に滑り落ちていく。
信じてた。リョータは絶対に目を覚ますって。
それでも、怖かった。怖くて仕方なかった。