晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
【晴れ渡る空の下で】
7月に入り、照り付ける日差しが本格的に強くなってきた頃。リョータに、一つの変化が起こった。
「病室、移動することになったよ。それも、まるっきり前と同じところ」
いつも通り、練習を終えて病室を訪れた私に、嬉々とした様子で報告してくれたリョータ。
それは、看護師さん付きの今の病室でなく、元いた4人部屋に戻れるというものだった。それも、元の窓際のベッド!
「ほんとに!? オッケー出たの?」
「うん。俺がこっちに移動してから他の患者さんが使ってたらしいんだけど、空いたみたいで」
「そうなんだ! ずっと言ってたもんね、元のとこに戻りたいって」
うちのグランドが見える場所。リョータに割り当てられたのがそのベッドじゃなかったら、私達はこうして今一緒にいないかもしれない。
「同じところ、空いてよかったね」
「……うん」
白い肌に長い睫毛の影を落とし、リョータは力なく笑った。
瞬間、自分の放った言葉の不謹慎さに気付く。
「病室、移動することになったよ。それも、まるっきり前と同じところ」
いつも通り、練習を終えて病室を訪れた私に、嬉々とした様子で報告してくれたリョータ。
それは、看護師さん付きの今の病室でなく、元いた4人部屋に戻れるというものだった。それも、元の窓際のベッド!
「ほんとに!? オッケー出たの?」
「うん。俺がこっちに移動してから他の患者さんが使ってたらしいんだけど、空いたみたいで」
「そうなんだ! ずっと言ってたもんね、元のとこに戻りたいって」
うちのグランドが見える場所。リョータに割り当てられたのがそのベッドじゃなかったら、私達はこうして今一緒にいないかもしれない。
「同じところ、空いてよかったね」
「……うん」
白い肌に長い睫毛の影を落とし、リョータは力なく笑った。
瞬間、自分の放った言葉の不謹慎さに気付く。