晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
翌日の日曜日も、採点のために設けられた月曜の休みだって、朝早くから夜遅くまで練習練習練習!

監督……もとい、体育教師の野田先生は一体、いつテストの採点をしてるんだーっ!




「それじゃ、各自帰ってストレッチをしておくように。以上解散!」


聞き慣れていない人には怒号にも取れそうな監督の声が、広いグランドに低く響き渡った。

解散という単語に、弾かれたようにして部室に駆け込む。

白い壁に掛けられた時計は、19時15分を指していた。


ま……間に合う! 久しぶりに、リョータの顔が見れる……!

液状化していたのが一気に個体になったように、私の気持ちも立て直る。って、この例えわかりづらい?

ともかく、早く帰る支度しなきゃ。テスト前に貰った手紙の返事も渡さなくちゃいけないし!


“のぞみ”の如きスピードで着替えを済ませ、他の部員と入れ替わるように部室を出た。

滴る汗もそのままに、駆け足で学校を飛び出す。制服が肌に引っ付いてちょっと気持ち悪いけど、さっき制汗剤で臭いケアはしたからもう気にしない。
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