晴れ渡る空の下で、君のために風となる。
「……真田」

「いつまで寝てんの。もうホームルーム終わったよ」


言われて飛び起きる。

時計の針は、チャイムが鳴る時刻に重なりつつある。


「げっ。なんで起こしてくれなかったの」

「私も先生も起こしたよ。それでも起きなかったのはどこの誰?」

「……私か」


教室の後ろにあるロッカーに問題用紙を慌ただしく取りに走る私を、彼女、真田柚麻(さなだ ゆま)は呆れたように眺める。


こちらも強化クラブに指定されているバドミントン部に所属している真田は、2年生で同じクラスになってから急速に仲良くなった。

私も真田もお互い執着しないタイプなので、行動は共にするけど、常にべったりってわけじゃない。

ほら、あるじゃん。女子特有のめんどくさいやつが。

そういうのは、私達に存在しない。
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